デジタル革命が、コロナ禍で加速化している。
もともと技術的には、既に利用できるレベルにあったのだが、考え方がアナログだったので、普及できずにいた。
そこで、このコロナ禍だ。
強制的に、あらゆる面でデジタル化せざるを得なくなったことで、一気に利用が促進された形である。
どこもかしこもオンライン会議
ビジネスでの大きな変化といえば、オンライン会議の普及だ。
以前から、Skype等でテレビ会議を行う環境は整っていた。
しかし、実際に顔と顔をつきあわせるリアルな環境が良しとされ、テレビ会議は失礼だという感覚が大勢を占めていた。
まさに、現地・現物・現人主義だ。
そこで、このコロナ禍で、どうにもテレビで会議を行うしか方法がなくなったことで、失礼などと言っていられなくなった。
で、実際にやってみると、こんな効率的で便利なものはないと、気づいた。
どんなに遠くに居ようと、一瞬で会議が立ち上がる。
今まで、交通費をかけて、時間をかけて、移動していたのは何だったのか。
あの、現地・現物主義の元祖であるトヨタの豊田社長も、考えを一変させている。
もはや、現地・現物ではないと。
この傾向は、アフターコロナでも、確実に続いていくであろう。
毎日ウェビナー
このコロナ禍で、新たなワードが生まれた。
それが、「ウェビナー」だ。
これは何かというと、ウェブ+セミナー、つまりセミナーをウェブで開催するというものだ。
今まで、セミナーといえば、開催場所に集まって行われるものであった。
そこに何の疑問も感じることもなく、当たり前に、時間とお金をかけて集まっていた。
これも、強制的にオンラインで行わざるを得なくなったことで、その便利さが知れ渡り、今や毎日にように、そこかしこでウェビナーが開催されている。
移動せず、自宅や職場で参加することができるこの快適さ。
講師でさえも、移動する必要がない。
狭い席に座らせることもなく、ゆったりと聴講もできる。
また、さらに面白いのは、チャット機能だ。
セミナー参加中に、チャット欄で、意見や質問を気軽に書き込むことができる。
セミナーによっては、このチャットの方が、本編より盛り上がることがある。
聴講者同士で、情報交換が行われたり、議論が展開されることもあるのだ。
まさに場外乱闘戦、これほど面白いことはない。
さらに、講師も、このチャット欄を見ながら、話の内容を臨機応変に変えることができるのも良い。
セミナーが、より有意義になる。
バーチャル展示会
このコロナ禍で、様々な展示会が中止を余儀なくされている。
このままでは、今年の開催はすべて難しいのではないかと思われる。
不特定多数の多くの人が集まるので、完全に密になり、クラスターが発生しかねない。
そのリスクは、誰も負うことができないだろう。
そこで、注目されるのが、オンライン展示会だ。
既に、世界の見本市がオンライン開催にかじを切りだしており、中国最大級の貿易商談会「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」も、ネット開催で行われている。
3次元画像によるバーチャル展示場にすることで、リアルに近いものにすることもできるはずだ。
人込みに疲弊することなく、見たいところを自由に行き来できるので、かなり効率的だ。
今まで行くことができなかった海外で行われる展示会にも、参加できるようになるので、来場者はリアル展示会よりも多くなるであろう。
そうなると、出展者にとっても、来場者にとっても、利益になるので、普及しない手はなくなる。
勝ち組と負け組
このように、今後、様々な変化が確実に起こってくる。
むしろ、これを機に、どんどんデジタル化を推進していくべきなのだ。
そうなると、既存の形態を業としていた企業は淘汰されていく。
どの企業も他人事ではないのだ。
デジタル化できない企業に未来はない。
アフターコロナで、元に戻ってしまう企業は赤信号だ。
世の中は、もう元には戻らない。
ここで、変われるかが、まさに生と死を分けることになる。
あなたの会社は、変われるだろうか?