アパレルの老舗、ブルックス・ブラザーズが経営破綻というショッキングなニュースが飛び込んできた。
1818年に創業し、202年の歴史を持つブルックスは、アメリカントラッドのスタイルを確立し、今でも国内に縫製工場を抱え「メード・イン・アメリカ」の看板を下ろさずにここまで来た。
私も、スーツやコートなどを愛用しており、残念でならない。
ブルックスのCEOが、声明で「新型コロナウイルスの流行前から事業売却を含め、急速に変化する小売業界における戦略を模索していた。業界に対する逆風は、パンデミック(世界的大流行)で加速した」と述べているように、コロナ前から業績不振だったことが分かる。
最近の企業破綻の傾向と同じで、元々経営が厳しかったところを、コロナに止どめを刺された形だ。
ブルックスの業界環境を見てみると、大きな変化の一つは、カジュアル化だ。
スタートアップ企業など若者を中心に、スーツを離れは日に日に顕著になっている。
一般企業をみてみても、夏は、クールビズが浸透し、上着を着ることがなくなった。
社会全体が、脱スーツに寛容になってきたので、ここからまた需要が増加に転じることは考えにくい状況だろう。
このような状況下、コロナ禍で在宅勤務が浸透したことにより、スーツを着る機会が更に激減してしまった。
今後も、在宅勤務が拡大していくことを考えると、絶望的になる。
デジタル化の波
また、これからは、一層デジタル化が進むであろう。
小売業界では、ネット通販へのシフトが加速化しており、この対応に遅れをとると即刻、致命傷になりかねない。
しかし、スーツのネット販売はなかなか難しい。
いっとき、ZOZOスーツが注目を浴びていたが、最近は、めっきり話題に上がらないので、恐らく馴染まなかったのだろう。
このような急速な環境変化に、200年の歴史を持つ超老舗企業も対応できなかったようだ。
伝統企業は、守るべきものがあるので、変化する上では、それが邪魔をする場合がある。
よく、伝統と革新というフレーズを耳にするが、これほど、言うは易く行うは難しいものはないだろう。
伝統と革新は同居できない。
伝統は結果でしかない。
出来るとしたら、それは、革新を続けることしかない。
革新を続けた結果、企業が長生きをし、それが伝統となるのだ。
だから、伝統を強みとしている企業は、今のままでは危ういだろう。
個人もデジタル化
このデジタル対応は、なにも企業にだけ求められているものではない。
個人もデジタル化していかないと、生きにくい時代になっている。
情報をどうやって入手し、どうやって発信していくか。
テレビでしか情報を入手する手段がない人は、要注意だ。
テレビは、今の時代、完全にオワコンだ。
局の方針やスポンサーの意向により、情報は操作され、真実は伝わらない。
また、独自のニュースはほとんどなく、SNSで発信された情報を、後追いで流している始末だ。
もはや見る価値はないと言える。
では、どうしたらよいのか。
それは、やはりSNSだ。
もちろん、SNSの情報も玉石混交だ。
だから、信頼できる情報ベースを早く築かなければならない。
それには、自分から情報発信することも大切だ。
このSNSの普及によって、個人でも企業に対抗することができるようになった。
これは、画期的なことだと思う。
会社に縛られず、働き方の多様化につながり、生き方の自由度が高まる。
そのためにも、個人もデジタル対応していかなければならないのだ。
日々、変化していけるよう、楽しみながら頑張りたい。