九州地区を中心として、日本の広い範囲で甚大な豪雨被害がでている。
ここのところ、毎年、台風や豪雨による被害が甚大化しているが、ここまで全国的に被害が拡大したのは、記憶にない。
本日も、広いエリアで大雨が予想されており、まだこれから被害が拡大する恐れもあり、最大限の注意が必要になる。
ニュースを見て、もっと早く避難すればよかったのに、という意見が多く寄せられるが、これは客観的だから言えることであり、いざその局面に自分が遭遇した時に、その通りに動けるかといえば難しいと思う。
長年住んでいる土地、ここまで水が来ることなんてないだろう。
そう思うのが普通だ。
人間は経験したことがないことに対して、迅速に対応することは出来ない。
一瞬で起こってしまう水害に対して、一瞬の判断が出来るだろうか。
慣れ親しんだ家、大切な家財道具、それらを捨て、身一つで逃げるという行為は、なかなか出来ることではない。
こんな時は、声を掛け合うしかない。
家族、親戚、お隣さん、災害時こそは、みなで助け合うしかないと思う。
水害の補償を受けるには
台風や豪雨のような水害は、住宅の火災保険でカバーされている。
ただ、水害の補償は「床の上に浸水した場合」などと定められているので注意が必要だ。
また、保険の対象が建物のみの場合は、家財の損害は補償されず、逆に、保険の対象が家財のみの場合は、建物の損害は補償されない。
そもそも火災保険は、その保険の対象を①建物のみ、②家財のみ、③建物+家財の3つの中から選ぶことができる。
建物とは、建物本体やそれに付属する門・塀・物置・車庫など「建物に付帯していて動かせないもの」。
家財は、家具・テレビ・冷蔵庫・洋服・カーテンなど「建物の中にあり動かせるもの」となる。
保険料にも影響するので一概には言えないが、建物と家財の両方をカバーしておくのが無難であろう。
そして、保険金を受け取るには、保険会社側の立ち会い調査が必要になる。
水害にあった場合、重要なのは、スマホなどで被害状況の写真を撮影し、浸水の証拠を残すことだ。
また、表札や家全体、損壊した部分それぞれが分かる写真があれば、損害の認定ははやくなるだろう。
被害にあった時に、冷静に撮影などできるのか、という問題もあるが、復旧までのスピードを早めるためにも、覚えておいた方が良いと思う。
火災保険のカバー領域は意外に広い
火災保険は、基本的には、火災が起きた際に、建物や家財の損害を補償する保険であり、そのイメージを持っている人が多いと思う。
しかし、実は、火災以外にも落雷や風水災などの自然災害、盗難・破損・爆発などによる被害も補償範囲に含まれているので、知っておいた方が良い。
| 火災・落雷・破裂・爆発
火災や落雷により、建物が焼失、あるいは家電製品が壊れた等。
| 風災・雹災・雪災
台風や雹(ひょう)で窓ガラスが割れ、建物や家財が損害を受けた等。
| 水ぬれ
給排水設備の破損により、部屋が水びたしになった。
マンション上階からの水漏れにより、家財が水びたしになった等。
| 水災
大雨による洪水や土砂崩れにより床上浸水し、建物や家財が損害を受けた等。
今回のような被害ケース。
| 盗難
泥棒により窓ガラスが割られたり、家財が盗まれた等。
| 破損・汚損
自動車に突入され、建物が破損。
家具をぶつけてドアが壊れた。
誤ってコーヒーをこぼして、パソコンが壊れた。
テレビをテレビ台から誤って落として壊した等。
この破損・汚損が補償対象になるということを、知らない人が多い。
私は、以前、廊下で転んで、壁をぶち抜いたことがあるのだが、この時も、火災保険で補償してもらった。
これは知らなきゃ損の典型なので、ぜひ知っておいてもらいたい知識だ。
地震保険は別物
この際、地震保険のことも知識を補強しておこう。
保険の対象は、居住用の建物と家財になるのだが、注意すべきは、火災保険で保険の対象となっているものに限ることだ。
地震保険は、単独では加入することはできず、必ず火災保険とのセットになるのだが、その中身も、火災保険が建物だけを対象にしていれば、地震保険も建物だけしか対象にならない。
保険金額は、建物、家財ごとに火災保険の保険金額の30%~50%に相当する額の範囲内で設定し、建物が5,000万円、家財は1,000万円が限度となる。
ここで注意しておかなければならないことは、火災保険との違いだ。
地震を原因とする火災は、地震保険に入っていないと補償されない。
つまり、火災が地震によるものなら、火災保険では補償されないということだ。
他には、津波による被害だが、これも地震による津波であれば、地震保険でしか補償されず、火災保険では補償されない。
ここを知っているのと知らないとでは、万が一の際に、大きな違いが出てしまう。
後悔しないように、今のうちに、保険の再チェックをされることをお勧めします。