本日は、アパート経営の闇にせまる第2弾となる。
アパートの需給バランスは、飽和状態に陥っており、経営が破綻するケースが後を絶たない。
そう、建てすぎたのだ。
営業マンは、あの手この手で、アパート建築を進めてくる。
その手口はかなり巧妙で、悪質なケースもある。
施工不良を1,000棟以上も出したレオパレスの企業体質を見ても、それは容易に想像できるだろう。
その営業トークの典型は、相続の失敗事例を引き合いにだして、恐怖心を煽るパターンだ。
「今すぐ対策を講じないと、ご子息が大変なことになりますよ。」
これを言われると、大抵の人は思わずドキッとしてしまう。
そして、具体的な事例をあげる。
「私のお客さんで、同じぐらいの土地をお持ちの方がいましたが、3千万円の相続税がかかってしまい、納税資金を捻出するために泣く泣く土地を手放されることになりました」と。
散々恐怖心を煽られ、どうしたらいいかと尋ねたが最後、猛烈な営業攻勢を受けることになる。
「私たちプロにお任せください。」
「賃貸経営のノウハウがありますし、相続税対策も万全です」。
そんな簡単に騙されるの?と思われるかもしれないが、彼ら営業マンは歴戦の兵だ。
歩合制の彼らは、何が何でも契約を取らなければならない。
会社も、営業ノウハウが詰まったマニュアルを用意しサポートするとともに、鬼軍曹が現場を指揮している。
一度、彼らにロックオンされると、もはや逃れることは困難となる。
相続税評価が減額するという甘い罠
上記にも記したが、営業トークで主に使われる内容が、相続税評価減の割合だ。
【賃貸物件を建てる際の評価減のポイント】
① 賃貸物件を建てると、その敷地は貸家建付地として約20%、評価減される ② その土地の上に建築した建物の評価は、約60%、評価減される ③ 借り入れ分を債務控除することができ、相続税評価額が大幅減となる |
例えば、相続税評価額が3億円の土地があるとすると、このままだと3億円の評価のまま課税されてしまう。
ここに、5億円の借り入れを行い賃貸アパートを建てるとどうなるか。
①土地の評価額
3億円×82%=2.46億円
②建物の評価額
5億円×42%=2.1億円
③借入金
▲5億円
①+②+③=▲0.44億円
どうだろうか。
何もしなければ3億円の評価額だったのが、賃貸アパートを建てることで▲0.44億円となる。
これで、相続税は0円となる仕組みだ。
ここで気を付けなければいけないのは、これはあくまでアパートが完成した当初の評価だということだ。
借入額は年々減っていくので、その分、逆に相続税評価額は増えていく。
建物の評価額も下がっていくが、借入額の減少ペースよりは小さいので、どこかの時点で、相続税評価額はプラスとなってしまう。
基本的に、相続税の節税効果は年々薄れていくのだ。
それでも、家賃収入が借入の返済額を上回っていれば、キャッシュフローはプラスとなり収益があがる。(固定資産税や修繕費等も考慮することが必要)
当初の収支計画では、当然収益が上がるものになっているのだが、ここが最も大きな罠となる。
ハウスメーカーは、家を建てれば、利益が上がる。
その後のことは、極端な話、知ったことではないのだ。
いやいや、家賃保証をしてくれるでしょと、思われているかもしれないが、果たしてそんな甘い話はあるだろうか。
ここは、また次のブログで記していきたい。