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これからの投資戦略を考える【中国リスクにどう向き合うか】

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今週も引き続き決算ウイークとなる。

足元の業績が悪いのは織り込み済みなので、今後どのような施策を打っていくのかを見極めていきたい。

 

本日(8月11日)の日本経済新聞の記事によると、今期の業績予想で、もっとも多いのが「減収減益型」で6割を占めるようだ。

コロナや米中対立の逆風を諸に被っている業界で、なかなかV字回復の絵は描きづらい。

 

一方で、この環境下でも、増収増益の企業が2割程度あるのは心強い。

主に、巣篭り消費やデジタル化を追い風としたもので、時代のニーズと見事にマッチしているといえる。

 

これらの好調な企業は、コロナによってその好調さが加速化しているが、決して運が良かっただけではあるまい。

デジタル化は、コロナによって始まったニーズではなく、以前からデジタルトランスフォーメーションの動きは顕在化していた。

 

それが、コロナにより一気にスピードが高まっただけ、つまりきっかけにすぎない。

業績を見る際も、たまたまのラッキーパンチなのか、実力なのかをしっかりと見極めることが必要となる。

 

中国経済の恩恵

 

業績が良い企業も悪い企業も、一律に、中国経済の恩恵を受けていることは間違いない。

トヨタなど、業績が落ち込んだものの赤字を回避できたのは、中国市場が堅調だったことが主因だ。

 

現に中国の回復ぶりは目覚ましい。

これも、本日の日経新聞を抜粋すると、
「今年4~6月期の中国の国内総生産(GDP)は前期比11.5%増で、年率換算の成長率は59%となった。前年同期比でも3.2%増だった」としている。

 

これだけ急回復しているので、日本企業もかなり恩恵を受けていると思われるし、日本だけでなく米アップルの好調の一因にもなっている。

 

では、今後の中国が世界経済を牽引していくのか、となるとどうも期待薄だ。

今後は逆に、中国リスクになる可能性が高い。

 

中国包囲網

 

 

これだけ世界中がコロナで苦しんでいる最中、その発生源である中国だけが、素知らぬ顔で我が世の春を謳歌するのは、かなり違和感がある。

いや違和感があるというのは柔らかすぎる表現で、感情的には怒りが込み上げる。

 

そして何より、米英を中心とするアングロサクソンは、このコロナ騒動を引き起こした中国を絶対に許さないだろう。

彼らは本気モードに入っているので、もはや衝突は避けられないと思う。

 

米国は、昨日、アザー厚生長官を台湾に派遣し、蔡英文総統と会談した。

米国閣僚の台湾訪問は6年ぶりで、1979年の断交後、最高位の高官派遣となる。

 

その会談でアザー長官は、「台湾の新型コロナ対策は世界で最も成功した例の一つ」と称賛し、7月30日に死去した李登輝・元総統に対しても「台湾民主化の父で、20世紀の重要なリーダーだった」と哀悼の意を表している。

 

一つの中国を標榜する中国は、この訪台に当然に反発しているが、もう中国包囲網戦の火ぶたは切られている。

ティクトックとウィーチャットの取引禁止や、香港政府高官への制裁など、矢継ぎ早に仕掛けている。

既に、全体のシナリオは出来ていると考えた方が良い。

 

中国共産党も引くに引けない。

対抗措置として、米上院議員など11人への制裁を発表したこともそうだが、香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏と、民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏を、香港国家安全維持法違反の疑いで逮捕したのだ。

 

これにより、報道の自由が危機に陥っただけでなく、民主主義の崩壊をもたらすことになる。

 

この香港国家安全維持法は、香港居民のみを対象にしているのではなく、日本人や米国人など誰もが対象になる、とんでもない法律だ。

この結果、豪、カナダ、英、ニュージーランド、独など、香港との犯罪人引渡条約の停止を発表する国が相次いでいる。

 

現在は、コロナ禍で、海外旅行は行けないのだが、これでは収束後も、おちおち海外旅行にもいけなくなる。

海外の地に降り立った瞬間、逮捕されることも十分にあり得る。

 

幸いに、日本は犯罪人引渡条約を締結していないので、日本国内にいる分には安全だが、駐在や留学などで中国に居住している日本国民はどうなるだろうか。

不安で仕方がない。

 

日本国と日本企業の動向は

 

このような国際情勢下、日本国および日本企業はどのような舵取りをしていくのだろうか。

米中どちらも、引く可能性は低いと思われるので、もう待ったなしの状況だ。

 

今回ばかりは、政経分離は難しい。

どちらかに付くしかないとすれば、答えは明確だ。

 

あとは、親中派の方々が騒ぐのをどう捌いていくかということか。

もし反対するならば、現実的な解決策を提示し実行するしなかいが、出来るだろうか??

 

日本企業も、大きな戦略転換をしなければならないだろう。

まず第一に、駐在員の安全を確保しなければならない。

ボーっとしていては、従業員を人質にされかねない。

 

よって、これからの投資戦略を考える際は、中国リスクが最重要項目となる。

中国のウェイトが高い企業は、一旦、見送ることが賢明であろう。

 

大企業といえど、無事ではすむまい。

へたをすれば、存亡の危機にもなりかねない。

 

国際情勢は、このように逼迫していることを認識し、いざという時は迅速に行動に移せる準備をしておく必要がある。

もう、いつ何が起こるか分からない。

 

 

 

 

 

 

 

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