コロナ禍で、住宅ローンの返済に悩む人が多くなっている。
収入が減少したり、失業をしてしまうと、住宅ローンまで手が回らなくなってしまう。
この場合、原因は主に二つある。
一つ目は、生活費に占める住宅ローンの割合が高すぎる場合だ。
出来るだけ多く借りたいがために、余裕のない返済プランを組んでしまうケースが多い。
ハウスメーカーの営業マンの口車に、うまくのせられてしまうパターンだ。
新築の計画を進めていくと、もう少し広くしたいとか、仕様を良くしたいといった欲が生まれ、当初の予算をオーバーすることが大半だ。
すぐに100万円単位で上昇してしまうのだが、もともとの額が数千万円という、普段とけた違いに大きいだけに、感覚が麻痺してしまう。
そして、背中を押すように、営業マンの誘導が行われる。
住宅ローンだと、100万円オーバーしたとしても、月々にすると僅か3,000円弱ですよと。
確かに、今は歴史的低金利なので、金利が0.5%、35年返済とした場合、月々2,600円しか変わらない。
1日1本缶コーヒーを我慢すれば、大丈夫ですと。
このようにして、予算が100万円、200万円と上昇していってしまうのだ。
二つ目は、預金がないという場合だ。
借金を抱えながら、預金もなく、かつかつの生活をしていることにびっくりさせられるが、このケースも意外に多い。
住宅ローンの返済額を少なくしたいが為に、頭金をぎりぎりまで突っ込みすぎるのだ。
他には、予算が上がってしまったが為に、住宅ローンの借入額も限界があるので、頭金を予定以上に突っ込まざるを得なくなるケースもある。
新築の打ち合わせは楽しく、どんどん夢が広がっていくので、舞い上がってしまい、資金面は何とかなると思ってしまう。
また、予算を超えた部分は、頑張って働けばいいやと妙に張りきってしまったりする。
しかし、予算を超えて無理をしてしまうと、必ず後で苦しくなる。
今回のコロナ禍での収入減少もそうだが、平時でも、生活が困窮しがちになってしまう。
家族が快適に過ごすために家を建てても、生活が困窮してしまうようでは、本末転倒だ。
もともと余裕があれば別だが、予算に限りがある場合は、何よりも予算を厳守しなければならない。
営業マンの誘惑に負けないよう、冷静に判断していきたい。
予算内でも、満足のいく家はつくれるはずだから。
失業で免除される住宅ローン登場
三井住友信託銀行と仏BNPパリバ系のカーディフ損害保険が、住宅ローンの利用者が失業した場合、返済を一部免除する仕組みを導入した。
今までであれば、返済が苦しくなった時は、返済の猶予や減額が一般的であった。
しかし、これらの場合は、返済額は変わらないので、いずれは返さなければならないので、一時的には助かっても苦しいことに変わりはない。
それが、免除されるというのは、なかなか画期的な試みだと思う。
では、どれだけの期間免除されるのかということが気になるが、1回で最長3カ月分のようだ。
う~ん、これはどうだろうか。
3か月の免除、確かに助かることは助かるが、一時金程度の金額でインパクトはさほど大きくない。
話題性というか、広告効果を狙ったものという扱いだろうか。
住宅ローン金利は、低くなりすぎたがために、金利差ではもはや差別化できない。
そのため、差別化のための戦略であろうが、残念ながら、これで安心してローンが組めるというものではないだろう。
効果は限定的だと思うが、業界で初めて導入したという心意気だけは評価したい。
結局は、無理な予算を組まないことが何よりも重要なので、家づくりを検討されている方は、ここを徹底していきましょう!