投資銘柄を選ぶ基準には、いろいろなアプローチがある。
割安株、成長株、高配当株、株主優待株…。
テクニカル面でも、順張り、逆張り、ゴールデンクロスなど様々だ。
基本的には、自分に適した(好きな)方法で選択すれば良いのであるが、まだ経験が浅い場合は、いろいろと試してみるとよい。
私は、ずっと割安株の逆張り派だったのだが、最近は、成長株の順張りで攻めている。
成長株の高値追いだ。
なかでも、注目しているのが、オプティム(3694)だ。
オプティムの特長
オプティムは、2000年設立の東証1部上場企業。
本店が佐賀大学内にあるのが面白い。
「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとしている。
そして、該社の強みは、知財戦略に基づく豊富な技術力と事業創造力にある。
〇 豊富な知的戦略
代表の菅谷氏が、情報通信分野における個人特許資産規模ランキング1位を受賞(2015年1月末時点、パテント・リザルト社調査)。
常に新しい技術を生み出して研究開発を行い、その成果を活用した製品・サービス、さらにはビジネスモデルで取得した特許権が差別化を生み出すことにより、事業の競争優位性を確保している。
〇 事業構想力
AI・IoT・Big Dataのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進。
この「〇〇×IT」の取り組みが凄い。
ITをどのように活用するかという課題と、様々な業界内での課題をミックスさせ、具体的な取り組みとして展開しているのだ。
〇〇×IT
☆ 農業×IT
・日本初、長崎県五島市においてAI・ドローンを用いた作付け確認業務支援の 実証事業を開始 ・オプティムとエンルート、AI・IoT・ドローンを活用したスマート農業分野での協業 ・スマート農業に対する課題解決をワンストップで支援する「スマート農業プロフェッショナルサービス」を開始 ・オプティムとVNPT、ベトナムにおけるAIサービスおよびスマート農業分野において業務提携 ・ピンポイント農薬散布テクノロジーの特許、九州地方発明表彰の「文部科学大臣賞」を受賞 ・AIやドローンを使い、農薬使用量を抑えたあんしん・安全なお米「スマート米2020」、2019年度産新米の販売を開始 ・無添加・無着色・カフェインゼロのお茶「香ばし大豆茶」、「香ばし黒豆茶」の販売を開始 ・兵庫県丹波県民局とスマート農業を活用した特産物の生産力強化に向けた共同事業を実施 |
ここで分かるように、オプティムは農業分野に強い。
市場シェアNo.1を獲得しているのも分かる(ミック経済研究所発刊の調査レポート)。
☆医療×IT
・オンライン診療プラットフォームのOEM提供を発表 ・医療画像診断支援AI統合オープンプラットフォーム「AMIAS」(アミアス)を提供開始 ・佐賀大学とオプティム、医療画像診断支援AIの臨床研究を推進 ・眼底画像診断支援システムOPTiM Doctor Eye」医療機器プログラムの認証を取得 ・聖路加国際大学とオプティム、「OPTiM AI Camera」を用いた手指衛生モニタリング手法の評価を行う共同研究を開始 ・オプティムとシスメックス、次世代の医療・診断を支えるデジタル医療の事業化加速を目的に合弁会社設立に向け基本合意 ・オプティムとメディカロイド、次世代医療用ロボットに関連する業務において業務提携 |
医療分野も市場シェアNo.1で、農業と双璧をなしている。
☆建設×IT
・建設生産プロセス全てを見える化 ・スマートグラスによる遠隔作業支援 ・世界初、iPad Pro を使って誰でも簡単に高精度 3 次元測量ができるアプリ、 「OPTiM Land Scan」β版の無償提供開始 |
農業、医療、建設分野と、それぞれ今の日本経済における課題の縮図ともいえる分野で、最も頼りにされている存在、それがオプティムだ。
他にも、ロボット×IT、運輸×IT、金融×IT、小売×IT、警察×IT、電力×ITと、様々な領域で先進的な取り組みを行っている。
該社の技術力と、それぞれの業界分野でのトップカンパニーがタッグを組み、課題を解決するスタイル。
これが、これからの課題解決型事業のスタンダードとなるであろう。
オプティムの業績
今期(2021.3月期)の売上予想は、7,744百万円。
これを達成すると。創業来21期連続の増収となる。(前期は6,728百万円)
経常利益は、コロナウイルスの影響でレンジ形式としているが、1,616百万円~802百万円とし、過去最高益を目指している。
注目すべきは、中期計画における今期の位置づけだ。
2017・2018年が、〇〇×IT投資戦略の投資時期(AI・IoT・Robotics体制・共通技術基盤整備およびビジネスモデル確立・主要パートナーと提携)、2019年が投資・売上計上時期(拡販に向けた体制確立・売上計上開始)、そしてこの2020年は投資回収時期としているのだ。
今までは投資先行していたのが、今期からは投資を継続しながら利益の果実も得られることになり、好循環が生まれる。
圧倒的No.1の基盤を構築できることも期待されるので、投資妙味がある。
株価は、3月13日に1,405円の安値を付けて以降上昇しているが、直近は3,000円台でもみ合い状態となっている。
当面は、7月13日に付けた3,775円をブレイクすることが短期目標となるが、そんなものではないだろう。
PERは200倍以上と高いが、あまり気にする必要はないと思う。
ここは短期的な動きには目をつぶり、中長期目線で狙いたい。
私は、6月3日以降コツコツと買い増し、700株まで増やしたが、7月17日に一旦売ってしまった。
最近は、損切だけでなく利益確定面においても、常にストップロスを設定しているので、下落局面で引っかかってしまったのだ。
これはルールとはいえ、本意ではない売りであったので、その後すぐにまた立て直し、現在は400株保有、今後も買いあがりで買い増し予定だ。
引き続き、該社の動向に注目したい。