コロナウイルスの感染者数が、東京で3日連続で3桁になったことで、にわかに騒ぎ出している。
100人そこそこで、大騒ぎするなといいたいが、メディアも煽っているので、始末に悪い。
小池知事は「近隣の県でも陽性者が増えている。不要不急の他県への移動は遠慮してほしい」などと、注意喚起しているが、こんな曖昧で無責任な発言なら誰だってできる。
本日が東京都知事選だが、都民は、こんな無責任な知事を再選させるのだろうか。
彼女のマニフェストを見ると、数こそ多いが、どれも数値目標が入っていない。
「~の推進」や「~の強化」のオンパレード。
これだと、ほんのわずかでも実行されれば、成果となってしまう。
今時、こんな公約が成り立つのだろうかと思ってしまう。
サラリーマンでも、こんな抽象的な目標を立てると、罰点をくらうだろう。
数値目標がないと、評価できないと言われてしまう。
感染者の実態
最近の感染者の傾向は、10~30代の若い世代が圧倒的に多いということ、故に重症化していない。
この傾向は、人が動き出したことによるもので、想定内であろう。
また、ほとんどが無症状または軽症なのだから、問題ないはずだ。
次は、「夜の繁華街」の感染者が増えているという傾向。
日経新聞によると、昨日の感染者131人のうち、夜の街関連は62人。
地域別では新宿エリアが52人、池袋エリアが2人だったようだ。
これにより、都は夜の街への外出を控えるよう呼びかけているようだが、これも無責任な話である。
こんな対処療法だったら、誰だってできる。
休業要請はしないが、行くのは控えろと、なんか少し前にも聞いたような話だが、こんな矛盾したことをよく行政がいえたものだ。
本質的なことは、PCR検査を受ける人が、1日2,500件程度と多くなったということだ。
陽性率は、4.5%。
4月は、最大で31.7%だったので、大きく減少している。
他には、行政のピンボケした施策の影響もあるだろう。
新宿区は、区内在住の新型コロナウイルス感染者を対象に、症状にかかわらず1人当たり10万円の見舞金を支給しているのだ。
このため、10万円目当てに、検査を受ける人が増えるのは当然の結果だろう。
だから、その結果に一喜一憂しても、ばかげている。
当然の成行なのだから。
感染経路不明が問題?
よく問題にされがちなのが、感染経路が不明な人が多いということ。
一人一人の行動を把握していないので、こんなのは当然の結果なのに、何をあたふたするのだろうか。
この問題の本質は、企業が在宅をやめ、通常出勤に戻したことによる、満員電車、職場での密が原因の可能性が高いことだ。
ここは、利害関係者が多いため指摘できないので、比較的叩きやすい「夜の繁華街」が標的にされているだけの話だ。
このようなカラクリなので、本気で感染者増加を防止しようと思ったら、官民あげて強制的にでも、在宅勤務に完全移行させていかなければいけないのだ。
これを企業まかせにしていたら、残念ながら絶対に進展しない。
日立や富士通、カルビーなど、大企業でも在宅勤務を標準化する動きはみられるものの、大多数の企業は思考停止しているため変わらない。
日本は、大きな外圧がないと変わらないのは歴史的にお家芸だ。
今回、コロナというペリー来航のような外圧が発生している。
当時は、「泰平の眠りを覚ます上喜撰(じょうきせん)、 たった四はいで夜も寝られず」と歌われたように、260年に渡る鎖国が、たった4隻の蒸気船によって崩れ去った。
その後、日本は大動乱となり、安政の大獄、桜田門外の変、大政奉還、戊辰戦争、廃藩置県と大きく国の在り方が変わっていった。
今回のコロナ騒動は、ペリー来航のように入り口の段階なので、ここからビッグチェンジしていくには、組織や体制を変える大きなムーブメントが必要になる。
そして、それは、一つの藩だけでは革命が起こせないように、幕府と藩が一体となった動き、今でいえば、国と都道府県、そして企業が一体となり、変革していかなければならないのだ。
明治維新後150年、今動かなければ、これからの150年は暗黒となりかねない。
果たして今の日本に志士はいるか…。