NTTが、NTTドコモを完全子会社にするようだ。
現在NTTは、ドコモ株を66.2%保有しているが、残りの33.8%の株式をTOBで取得する模様。
この報を受け、本日のNTTドコモ株は、ストップ高で張り付いたまま。
対して、NTT株は、3%弱の下落。
ドコモ株については、TOBには通常3%程度のプレミアムがつくので、ストップ高となるのは当然のこと。
一方、NTT株が下落したということは、4兆円に上る買収金の重たさもあるが、この買収が、政府方針である携帯料金値下げに対する方策と捉えられているからだろうか。
ドコモは、今でもNTTグループ全体の利益の半分を稼ぐいわば稼ぎ頭であるが、携帯大手3社で比較すると、契約数はトップであるものの、営業利益は2年連続の最下位となる見通しで、収益力には陰りが見え始めている。
そもそも、ドコモの事業は国内限定で、営業利益に占める海外比率は1割程度しかなく、また携帯通信事業に8割方依存している。
D払いなどのキャッシュレス決済や、Dカードを起点とする金融サービス分野を強化して、多角化経営する基盤は十分あると思うのだが、どうも推進力に欠けているようだ。
このまま内向きな戦略を取り続けているだけでは、政府による値下げ圧力や、格安携帯事業者にパイを取られるなど、ジリ貧になっていくことは必定となる。
親会社のNTTとしては、完全子会社にすることで、ドコモが稼ぐ利益の完全取り込みと、海外戦略を加速化するとの思惑があると思うが、果たしてうまくいくかどうか。
改革意識が薄いという、根っこは一緒の企業体質で、改革が一気に進むとは考えづらい。
本日のNTT株の下落は、それを物語っている。
本来であれば、再編期待でNTT株も上昇するはずなのだが、下落するということは、期待できないということであり、これが市場の評価であろう。
消費者としては、これで携帯料金を率先して引き下げてくれればありがたいことであり、ドコモ株主にとってはプレミアムがついて売却できるので、悪くはない話ではあるが…。
NTTの株主にとっては…、まあ、大勢に影響はないか…。
10月から変わるもの
さて、9月も残すところあと1日、早いもので今年もあと3か月となってしまった。
昨年の10月は、消費税増税というビッグイベントがあったが、今年は、酒税とたばこ税の変更というスモールイベントがある。
酒税では、ビール系の税金が変更となる。
現在、ビール系の酒税は、ビール・発泡酒・第3のビールと3種類あり、それぞれ税金額が異なっているのだが、これを2026年までに同額の税金としようとするもの。
【ビール系酒税一覧】
~20年10月 | 20年10月~ | 23年10月~ | 26年10月~ | |
ビール | 77円 | 70円 | 63.35円 | 54.25円 |
発泡酒 | 46.99円 | 46.99円 | 46.99円 | 54.25円 |
第3のビール | 28円 | 37.8円 | 46.99円 | 54.25円 |
最終的には、26年10月にすべて54.25円となるが、今年の10月からは、ビールが値下げ、第3のビールが値上げとなる。
額からすると大勢に影響のない範囲といえるが、毎日数本飲む人達にとってみれば、大きな改正となるのかもしれない。
私自身は、酒は嫌いではないが、最近ではビールが全くダメになった。
以前は、ご多分に漏れず、まずはビールで、1杯目のビールは爽快感があって美味しいと感じていたのだが、今では全く美味しいと感じなくなり、最初からハイボールかチューハイである。
なので、個人的には、どうでもいい改正だ。
また、たばこ税も変更される。
このたばこ増税の影響を受け、たばこメーカー各社は、10月から1箱50円程度値上げを行うことになった。
代表的なところでいうと、「マールボロ」(520円→570円)、「ラッキー・ストライク」(510円→560円)、「セブンスター」(510円→560円)。
加熱式たばこも、どうように50円程度値上げとなる。
私自身は、たばこを吸わないので(禁煙して20年弱)、いくら上がろうが関係ないのだが、たばこについては百害あって一利なしなので、もっと大幅に上げてもらいたいと思っている。
吸っている本人だけが、自己責任で健康を害するのであれば、何も言わないが、厄介なことに、たばこには副流煙がある。
この副流煙を、自分の意思とは関係なく吸い込んでしまい、「受動喫煙」してしまうのだ。
こんな不条理なことはないだろう。
人が勝手に自己責任で吸ったたばこを、受動喫煙によって、全く関係のない他者が害を受けるなんて、そんな前近代的なことがこの現代で許されることなのだろうか。
まさに、たばこを吸わない私達にとっては、百害あって一利なし、いや、これはれっきとした喫煙者による犯罪行為でしょう。
このように嫌煙者であるため、いくら高配当であろうと、JT株は買わない。
他にもNHKの受診料が値下げされるが、雀の涙ほどなので、ここではふれない。
最後に、雇用保険の改正があるようで、従来、自己都合で会社を辞めた人が失業手当をもらえるまでの期間は3カ月だったのだが、これが2カ月に短縮される。
これは、脱サラや転職を考えている人には朗報だろう。
無収入の期間が1か月短縮されるのは、ありがたいことだ。
このように、10月から変更になるものもあるが、ラスト3か月、資産運用も成果をあげていきたいところだ。
出来る限り、有益な情報を発信していきたいと思う。