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キャッシュレス化が日本で進まない理由

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日本のキャッシュレス化が遅れていると言われている。

世界の主要各国のキャッシュレス決済比率は、40%~60%台にようだが、日本は約20%に留まっている。

中国などは、露天にもキャッシュレスが浸透しているのと比べると、かなり遅れを取っている。

 

このデータは、2018年のものなので、今はもう少し上昇しているかもしれない。

2019年10月~2020年6月まで、中小事業者を対象としたキャッシュレス還元を行っているためだ。

しかし、肌感覚でいうと、スーパーでは、未だに多くの人が現金で決済していると感じる。

これが、現金崇拝からくるものなのか、単にデジタル化に対応しきれていないのか分からないが、メリットが多いのにもったいない話だと思う。

 

消費者側のメリット

 

現金を持ち歩く必要がない

 スマホもしくはカードを持っていれば、手ぶらで買い物ができる。
 財布がパンパンになることもないし、おつりの数え間違いリスクもない。
 また、コロナ禍では、紙幣や硬貨に触れることも感染リスクだ。

消費履歴を管理できる

 カードだと、使った額を覚ええていないので、ついつい買い過ぎてしまうとよく聞くが、これは全く逆だ。
 現金だと家計簿をつける手間が必要だが、カードだと自動で管理できる。
 そもそも使い過ぎる人は、家計簿も付けていないことが多いと思うので、むしろカードを使うべきだと思う。

紛失・盗難リスクが低い

 紛失や盗難時、カードは発行を止めることができるのでリスクを軽減できる。
 スマホにしても、セキュリティ機能もあるし、遠隔操作も可能だ。
 日本は民度の高い国だから、現金を落としても交番に届くということもあるかもしれないが、実際は戻らないケースの方が多いであろう。

 

店舗側のメリット

 

現金管理の手間を削減

 レジ締めの作業はなかなか面倒なものだろう。
 レジ締めに係る作業時間はレジ1台当たり25分、1店舗当たり平均1日153分と言われており、これらの作業時間が短縮できれば、かなり生産性が上がるはずだ。

紛失・盗難リスクの軽減

 従業員による売上現金の紛失や盗難等のトラブルは、店側にとって頭の痛い問題だ。
 キャッシュレス化により、この問題を解消できれば、効果は大きいだろう。

購買情報の分析と活用

 個人の購買情報を分析・利活用することで、マーケティングやターゲット層向けの商品およびサー ビスの開発が可能になる。
 これからは、データをどう活用するかということが、産業を問わず重要な要素となってくる。

インバウンド対策

 このコロナ禍では、インバウンドは全く期待できないが、いずれ増えることは間違いない。
 諸外国の方がキャッシュレス化は進んでいるので、これに対応できていないと、大きな機会ロスになるであろう。

 

デメリットはないのだろうか

 

店舗にとっては、損益に影響するので、手数料が気になるところだろう。

クレジットカードは、業種や売上規模などによって手数料の割合が異なり、一般的には、個人経営の飲食店であれば4〜7%であるのに対し、全国チェーンのコンビニエンスストアなどは1%前後の割合といわれている。

何故かと言えば、手数料の未収リスクが、低いか高いかということだ。

 

では、今、乱立しているキャッシュレス決済はどうであろうか。

下表が、各サービスごとの手数料だ。

決済サービス 決済手数料
ペイペイ   21年9月末まで無料、20年4月以降新たに加盟する年商10億円以上の法人は有料
LINEペイ   通常2.45%、21年7月まで無料
楽天ペイ   通常3.24%、6月末まで実質2.16%
d払い   通常3.24%、6月末まで実質無料
auペイ   通常3.25%、21年7月末まで無料
メルペイ   通常1.5%、8月末まで無料

 

キャンペーンで無料にしているところも多く、導入のハードルは低くなっているのではないだろうか。

あとは、必要な機器代が必要になるが、クレジットカードのみに対応しているカードリーダーであれば10万円前後、電子マネーにも対応しているものは20万円前後の端末価格が相場のようだ。

当然に、通信環境も必要なため、通信回線がない場合は新たに契約しなければならない。

 

ただ、これも、ペイペイのようなQR決済であれば、カードリーダーなどの機器は不要で、初期費用無料で導入できる。

サービスを申し込んだ後に、専用のQRコードが送付されてくるため、それを店頭に掲示しておき、決済する際に消費者のスマートフォンで撮影するだけで完了する。

ペイぺイのみに対応している店が多いのは、決済手数料が無料なうえに、導入費用も必要がないことが、大きいのであろう。

 

 

キャッシュレス決済の覇権は握るのはどこ?

 

キャッシュレスを浸透させるためには、各社がサービスにしのぎを削ることが必要で、早期に利用者を増やすために、各社キャンペーンや先行投資などを行っている。

そのため、費用が嵩み、ペイペイの2020年3月期は、なんと820憶円の営業赤字となっている。

早や、体力勝負となりつつあるが、それだけの先行投資をしても、得られる果実は大きいということであろう。

 

でも、消費者としては、サービスが多いのは良いのだが、どこを使っていいか迷ってしまい、結果利用しないということにもなりかねない。

日本は、キャッシュレス化が遅れていると言われながら、今まで、いろいろな仕組みを作ってきているのも確かだ。

テレホンカードに始まり、Suicamanacaなどの交通系の電子マネー。

小売店も、セブンイレブンのnanacoや、イオンのWAONなど、独自の電子マネーを発行している。

要は、サービスが多すぎるのだ。

 

こうなると、冒頭に述べた消費者が現金払いを好むという消費者側の問題だけでなく、サービスが乱立しているために、どこでも使えるという利便性が低いことも大きいのではないだろうか。

これに、その店独自のポイントカードの存在もあるので、なおさらだ。

 

ここは、何かすべてを統合するシステムが必要なのではないだろうか。

このままでは、買い物において、日本はデジタル後進国になりかねない。

 

現金を持ち歩く必要が一切なくなる暮らしを、早く実現したい。

ここは、「一切」でないと意味がない。

一人でも現金を使う人がいれば、店は現金を用意しておかなければならない。

これでは、非効率極まりない。

オール or ナッシング、徹底的にやるべきだ!

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