世界中の企業において、このコロナ禍で大きく変わったのは、会議や打ち合わせ、またセミナーの方法であろう。
対面での方法が、強制的にできなくなったことにより、オンライン会議の利用が爆発的に広がった。
かれこれ、利用し始めて3か月超になるが、こんなに便利で効率的なものはない、というのが、利用者のほぼすべての感想ではなかろうか。
むしろ、何故、今まで利用していなかったのか、と疑問に思う程だ。
そのメリットを上げれば、きりがないほどだ。
・ 移動時間が必要ない |
こんなに便利なもの、アフターコロナで、やめてしまってはもったいない。
確かに、対面の良さもあるとは思うが、もうそれは絶対的なものではない。
皆が、オンラインで良しという価値観になれば、何も問題ないのだ。
安全性の課題
気になるのは、安全性の問題だ。
情報がどこまで秘匿されるのか、重要な会議になれば、ここは担保できないと厳しい。
そんな中、ビデオ会議システムを手掛けるZoom(ズーム)の動きが注目を集めている。
それは、Zoomの運営会社が、中国の要請に応じて、米国在住の人権活動家へのサービス提供を一時中止したというものだ。
国の影響、特に中国の影響を受けることになるとすれば、心配は大きくなる。
創業者のエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)が中国出身で、中国の開発拠点への投資を重ねてきているので、中国とは、ズブズブの関係の可能性がある。
現在、Zoomは、ほとんどの企業が利用しているので、その内容が中国に流れているかもしれないとなると、大問題だ。
ここは、しっかりとしたガバナンスを構築して、中立性を証明していかないと、懸念が燻り続けることになる。
移動という概念が変わる
早晩、何を目的として人は移動するのか、という根本的な問題に突き当たることになるであろう。
◆ 会社に通勤するために移動する
在宅勤務が基本となれば、必要なくなる。
◆ 取引先に商談のために移動する
オンライン会議を利用すれば、必要なくなる。
◆ 買い物をするために移動する
宅配サービスを利用すれば、必要なくなる。
◆ 飲み会に行くために移動する
オンライン飲み会にすれば、必要なくなる。
※個人的には、そこまでして飲みたいとは思わないが…。
◆ 旅行に行くために移動する
バーチャル旅行体験が普及すると思うが、ここは、やはりリアルが一番だと思う。
コロナ禍で、何が一番残念かというと、旅に行けないこと。
この夏は、海外旅行に行けないだろうから辛い。
解禁は、いつになることやら。
◆ 外食のために移動する
これも、宅配サービスや持ち帰りが増えることが予想されるが、食事も雰囲気が重要だ。
同じものを食べたとしても、その場の雰囲気や、食器なども、満足度に大きく影響する。
スターバックスが、持ち帰りにシフトしていくような計画をしているが、成功するかは不明だ。
スタバは、くつろげる雰囲気がそもそものコンセプトなので、そこを外したサービスが受け入れられるかどうか。
商品ブランドだけでは、勝負できないような気がする。
新常態(ニューノーマル)が始まる
これからは、不必要な移動はしなくなる可能性が高い。
そもそも、不要な移動はする必要はないのだ。
では、何のために移動するかというと、それは体験のためということになる。
それは、非日常の体験であり、感動・刺激感・ゆったり感・ワクワク感など感情を揺さぶるコト体験だ。
モノを買うという物質的な行為には、もうあまり価値を見出せなくなっている。
コロナ禍で、このモノからコトへの価値変容が一気に進み、アフターコロナでは、これがニューノーマルとなっていくのだろう。