今回のコロナ禍で、様々なものがオンラインで行われるようになった。
サービスの提供者側も利用者側も、まだ手探り状態ではあるものの、そのメリットを享受できているのではないだろうか。
通常であれば、このような大転換には相当時間がかかるもので、実現できるかどうかも定かではないのだが、今回、強制的に、超短期間で実現できたことは、大変意義あるもので、ある意味、怪我の功名ともいえる。
コロナ禍は、ウイズコロナともいわれるように、収束にはしばらく時間がかかるので、このオンライン化が新常態になっていくものと思われる。
このように、様々な「オンライン〇〇」のサービスが生まれたものの、一方で、リアルの代替に過ぎないものは、コロナが収束すれば消えていくだろう。
単なる代替で、リアルより価値が劣れば、消えるのは当然の成行となる。
では、何が消えて、何が残るのか、考えてみたい。
目的か手段か
一つ考えられるのは、オンライン化する対象が、目的なのか手段なのかということだ。
目的であるとすると、リアルとの完全な対比になるので、ハードルは上がる。
一方で、手段であるならば、最終目標は目的が何かであるので、手段はそのための方法論に過ぎず、ハードルは下がる。
オンライン旅行
例えば、今話題の「Go To トラベル キャンペーン」。
このキャンペーンが不発なように、旅行はリアルが難しい環境なので、オンライン観光やオンライン宿泊等、様々なサービスが考案されている。
しかし、旅は目的であり、その目的は何かと言えば、非日常であり異文化体験だ。
この価値を、オンラインで実現できるかといえば、どうだろうか。
今後、5Gの到来とともに、リアルに近い体験が出来るようになる可能性はある。
自身のアバターが、現実空間を旅することも出来るようになるかもしれない。
しかし、旅は五感で感じるもの。
ワクワク、ドキドキ感が得られるかどうか。
ハードルが高いことは間違いない。
オンライン文化体験
クラシックコンサートなどの芸術文化体験も、リアルの壁は高い。
コンサートといえば、やはり臨場感だ。
その臨場感を高めるために、コンサートホールも設計されており、それを体感するために、お金を払って鑑賞する。
現在は、価格を抑えて、オンライン配信の試みが為されているが、定着するだろうか。
低価格にしても、視聴者が増えればペイするかもしれないが、そこに価値を見出せるかどうか。
臨場感がないのをどうカバーできるか。
また、オンラインだと、DVDやYouTubeと変わらなくなってしまうので、生配信のメリットをどう出していくか。
一つサービスとして有効なのが、演者とのコミュニケーションだ。
例えば、コンサート終了後に、指揮者や奏者と会話が出来たり、解説が聞けたりすると価値が高まる。
これは、オンラインならではの提供価値だ。
どちらかというと、コンサートを聴く楽しみよりも、コミュニケーションの方の聞く楽しみ重視となるので、従来の代替手段としてではなく、新たなサービス(目的)として根付かせることが出来るかがポイントとなるだろう。
このような文化芸術体験は、Sonoligoというスタートアップ企業が、サブスクでサービス展開しているので、興味のある方はチェックしてみてはどうか。
SonoligoのHPはこちら
住宅や車のショールーム体験
ショッピングは、物を買うのが目的であり、それをどこでどうやって買うかは手段にすぎない。
Amazonの大躍進が物語っているように、ショッピングは、コロナ前から既にオンラインが主流になりつつある。
そして、このコロナ禍だ。
今後、ますます、オンライン化が浸透していくことは間違いないであろう。
住宅や車も、カテゴリー上はショッピングである。
他の商品との違いは、対象が高額で、専門的になるので、ショールームや専門営業パースンが存在し、演出しているだけにすぎない。
しかし、それはあくまで手段にすぎないので、オンラインによって効率化する余地は十分にある。
車でいえば、Tesla(テスラ)は、オンライン販売に全面移行しており、その販売の好調さから、オンラインの有効性を証明している。
試乗をどうするかという問題もあるが、最近では、試乗せず購入する人も増加しているように、車への向き合い方も変化しているように思う。
また、オンライン化により販売店の経費を削減できれば、上昇傾向にある車の価格も下げられるのではないだろうか。
ここは、大きな可能性があるので、オンライン化の浸透を期待したい。
住宅についても、大いに可能性があると考えている。
ここは専門分野なので、改めて次の機会に考察したい。
あとは、オンライン飲み会とか…。
まあ、これは今だけだろうね。