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アパート経営の闇④【借地借家法の壁が立ちはだかる】

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今回は、アパート経営の闇にせまるブログ第4弾。

前回は、サブリースの問題について記したが、もう少し深堀していきたい。

 

おさらいになるが、サブリースの大きな問題点は、家賃を減額されることだ。

減額されると、収支計画が狂うことになり、場合によっては赤字となることもあり得る。

 

でも、そんな一方的に減額されるのはおかしい、と思う人も多いだろう。

あくまで、協議の上での判断になるので、オーナーだって、減額の要求を拒否することはできる筈だと。

 

もちろん、契約ごとなので、オーナーは拒否することはできる。

しかし、拒否すると、契約内容にもよるが、サブリース会社側は、一方的に契約を解除することができてしまうから恐ろしい。

 

そんなバカなと思われるかもしれないが、これが借地借家法の威力なのである。

 

サブリースは借地借家法が適用される

 

借地借家法は、借主が手厚く保護される法律だ。

 

サブリース契約は、この借地借家法が適用され、オーナーが賃貸人サブリース会社が賃借人、そして入居者が転借人という関係となる。

そのため、賃借人であるサブリース会社が、借地借家法によって守られることになるのだ。

 

いやいや、確かに、借地借家法で賃借人が優遇されるのは分かるが、このケースの場合、貸主は個人で、借主が事業者だから、同じように適用されるなんておかしいんじゃないの?と思われたかもしれない。

この考えはごもっともなのだが、残念ながら個人の大家さんは、不動産事業者とみなされるのである。

よって、対等な事業者間での取引となるのだ。

 

しかし、あまりにトラブルが多いことから、国(国土交通省)も重い腰をあげ、この家賃減額リスクなどの説明を、管理業者に義務づけるよう制度改正し、違反業者の公表にも踏み切ることにしたのだが、登録自体が任意のため、残念ながらまだ浸透しているとはいいがたい。

 

このような状況のため、オーナー側としては、事前にしっかりと説明を受けることが肝要となる。

家賃減額リスクがあるということを認識していれば、この点を遺漏なく確認できる。

 

解約時のトラブル回避

 

最後に、解約時の注意ポイントを記したい。

 

借地借家法では、借主は、契約期間の途中でも解約することができ、特段の自由は問われない。

一方で、貸主からの中途解約は、正当な事由や立ち退き料などの給付がなければ原則として行うことができない。

 

これをサブリース契約にあてはめると、オーナーが、この業者は信用ならないとして契約期間の途中で解約を申し出る場合、違約金が発生する可能性があるということになる。

 

このように契約したが最後、様々な制約が出てくることになるので、十分注意が必要だ。

不動産は、素人には難しい分野でもあるので、不安な場合は、不動産に強いFP(ファイナンシャルプランナー)などに相談することをお勧めする。

 

専門家に依頼すると、多少の手数料は必要となるが、いざトラブルとなると取り返しがつかなくなるので、必要経費として割り切った方が良いと思う。

へたをすると、破産してしまうこともあり得るので、相談できるプロを味方につけておいた方が、断然いい。

 

くれぐれも、営業マンの口車に乗せられて、勢いや感情で契約してしまうことがないよう、注意してほしい。

 

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