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ハザードマップによる説明が義務化【不動産購入時の注意点】

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ここのところ、毎年、大水害が発生している。

異常気象が原因だと言われているが、ここまで毎年発生するとなると、もはや異常ではなく常態化していると考えた方がよい。

 

日本は、古より水害との戦いをしてきた。

治水の名人と言われた戦国武将の武田信玄は、甲府盆地中央方面へ向かう川の流路をふさぐ信玄堤なる堤防を築き、当時の人々の生活を救っただけでなく、400年以上たった現在でも治水機能を果たし、洪水の氾濫から甲府盆地を譲ってくれている。

 

信玄公がつくった信玄堤から400年、治水技術が発達したはずの現代で、これほど河川氾濫が起こってしまうのは、どうしてだろうか。

治水技術を上回る雨量が、発生してしまっているのだろうか。

 

いずれにしても、一旦勢いを増した川の水を前にしては、人間は無力だ。

いかなるハイテク機器も役に立たず、退避するしか身を防ぐ術はない。

 

出来ることと言えば、ハザードマップで事前に確認しておくことぐらいであろうか。

 

重要事項説明義務

 

このような頻発する水害については、不動産取引時においても、水害リスクに係る情報が、契約締結の意思決定を行う上で重要な要素となってくる。

そのため、今回、宅地建物取引業者が不動産取引時に、重要事項説明の対象項目として、ハザードマップにおける取引対象物件の所在地について説明することを義務化することとなった。

 

具体的には以下の内容。

・水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと
・市町村が配布する印刷物又は市町村のホームページに掲載されているものを印刷したものであって、入手可能な最新のものを使うこと
・ハザードマップ上に記載された避難所について、併せてその位置を示すことが望ましいこと
・対象物件が浸水想定区域に該当しないことをもって、水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること


ハザードマップが作られていない地域もあるが、この場合も、不動産業者が市町村にないことを確認し、顧客に伝えなければいけない。

 

これは、良い制度だと思う。

土地を購入する際、河川に近いエリアでない限り、水害リスクを検討することは少ないだろう。

まさかこんなところで、というエリアでも浸水リスクが高い場合もあるので、注意が必要になるのだが、素人ではなかなかそこまでは分からない。

 

この法律は、8月28日から施行(スタート)するので、不動産業者も顧客もしっかりと認識しておく必要がある。

 

法律なので、説明がなされなければ、当然に罰則がある。

悪質な場合は、業務停止命令などの処分を受けることになるので、気をつけて。

 

同調圧力は善か悪か

 

日本人は、同調圧力に左右されることが多い。

土地や住宅を購入する際も、みんなが住んでいるから問題ないだろうと思ってしまう。

 

また、コロナ対策でも、多分にこの影響を受けている。

 

マスク着用などは、その典型だろう。

もともとマスク文化があったとはいえ、ここまで皆が自主的にマスクを着用するのは世界中を見渡しても珍しい。

 

中国なども現在はマスク着用が徹底されているが、あれは義務だからだ。

日本は義務ではない。

 

義務にはなっていないのに、ここまで皆がマスクをつけるのは、同調圧力のせいだろう。

マスク警察も出現するくらいなので、相当強い圧力がかかっている。

 

しかし、この同調圧力も行き過ぎると弊害をもたらすようになる。

東京から青森市に帰省した60代男性の生家に「何を考えてるんですか?」「さっさと帰ってください」など、帰省をとがめる内容の紙が投げ込まれた騒動が発生したが、これなどは同調圧力が行き過ぎた典型だ。

 

同調圧力は、ある程度まではプラスの効果を働かせるが、行き過ぎると弊害をもたらすようになる。

そして日本人は、多くの場合、行き過ぎる傾向がある。

 

赤信号、みんなで渡れば怖くない」に象徴されるように、間違ったことでも、集団心理によって善だと勘違いしてしまう。

 

こうならないよう制御するのが、本来、国など行政の役割だ。

 

コロナの第1波を、比較的軽度に抑えられたのは、この同調圧力のおかげ。

しかし、ここから先は、行政の明確な指針が必要となる。

 

Go To キャンペーンも、こんな曖昧な制度はないのだが、政府が明確な説明をできなくても見切り発車できたのは、この同調圧力のおかげ。

しかし、観光業を本気で救うには、明確な指針が必要になる。

 

ここは、何が良くて何がダメなのかを、明確にすることが必要だろう。

もう今現在で、分かっていることが多くあるので、その中で対策は打てるはずだ。

 

例えば、パチンコなどは、当初、高リスクといわれ叩かれたがが、実際はどうだろうか。

対面して対話しないので、適切な対策を取れば感染リスクは低いであろう。

 

同様に、映画館も、基本的に会話は発生しないので、問題はないのではないだろうか。

 

カラオケについても、クラスターが発生しているケースもあるようだが、これも、家族限定とか、少人数での身近な友達限定など、利用者を特定すれば問題ないように思う。

 

このように、これからは、明確な対策を講じることが必要だ。

同調圧力に期待した一律的な自粛要請では、もう立ち行かないだろう。

 

どうか、一歩も二歩も踏み込んで、対策を講じてもらいたいものだ。

 

 

 

 


 
 
 

 

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