本日、ある買いポジションを手仕舞った。
この数か月持つ続けてきたが、いろいろと苦しくなってきて、やっと踏ん切りをつけ撤退した。
その銘柄は、VIX。恐怖指数というのものだ。
コロナショックで、いよいよ暴落が始まりつつあった3月の初め頃に、他の保有銘柄保持のための保険のつもりで購入した。
このVIXというのは、恐怖指数という名前の通り、波乱の相場となると値が上がる。
なので、今回の暴落では、ものの数週間で、値が5倍くらいに跳ね上がった。
その間、NYダウも日経平均も真っ逆さまに暴落し、我が保有銘柄達も、軒並み半値になり、さらに悪いものだと1/3まで一瞬のうちに大暴落してしまった。
まさに、あっという間の出来事で、手の施しようがなかった。
しかしながら、このVIX銘柄のお陰で、当初の予定通りリスクヘッジができたのは幸いであった。
このヘッジのお陰で、比較的心穏やかに、この暴落相場にも耐えうることができたのだ。
果てしない欲望のために墓穴を掘る
この波乱相場は、暴落のスピードも異次元であったが、転換もまた早かった。
結果的に3月下旬に底を打ち、その後ジリジリと値を戻し、ナスダックなどは、暴落前に迫る勢いだ。
本日5月21日現在、日経平均は2万円を回復しており、NYダウも相当戻している。
これは、各国による超絶な金融緩和策によるものだが、実態経済とはあまりにかけ離れている。
長期間におよぶロックダウンの影響により、経済は相当に傷んでおり、また、人々の価値観の変化や行動様式の変容により、例えコロナが収束しても元には戻らないであろう。
このような状況下であるにもかかわらず、株価だけが上昇していくのは、あまりに異常であり、必ず二番底が来るものと確信していた。
だから、当然のごとくVIX銘柄も持ち越していた。
いや、むしろ、買い増していた。
しかしながら、現実は、どんどこどんどこと下げていき、ついに買値まで戻ってしまった。
まるで、恐怖など最初からなかったかのように…。
現実は常に正しい
戦いに負けた今でも、やせ我慢かもしれないが、判断に間違っていなかったとは思っている。
冷静に考えればこの状態はおかしく、浮かれているのは強気派の方だと。
しかし、現実はしっかりと受け止めなければならない。
今ある現実が唯一正しいのであり、いくらそれに異を唱えようと、どうにかなるものでもないのだから。
故に、失敗したと観念したら、速やかに脱兎のごとく撤退するしかない。
信長の金ヶ崎撤退戦のごとく。
ずるずると決断を引き延ばすと命取りになる。
ダークサイドに落ちていく
この相場で一つ学んだことがある。
VIX指数を買ったのは今回が初めてであったが、短期間でのボラティリティは半端ないものだった。
売り時の判断は難しいものの、このような大波乱相場では、取りうる一つの戦術としては有効だ。
しかし、学んだのはそんなことではない。
このようなポジションは、精神が蝕まれていくことだ。
今回、VIX指数と同時に、日経ダブルインバースも購入していた。
これは、日経平均が下がれば、逆に2倍のリターンを得られるもので、下落相場時には有効な銘柄だ。
本日、このダブルインバースも同時に手仕舞ったわけだが、このような銘柄を持っていると、相場が下がれば儲かるということだ。
ということは、悲しいかな、世の中の良いニュースを素直に歓迎できなくなってくるのだ。
自分の見通しは、二番底がくるというものであるので、それが正しいと証明するために、悪いニュースを待ちわびることになる。
これは、現在のコロナ禍では、あってはならないことである。
もうこれ以上、こんな悲惨な状況には耐えられない。
精神がほんとに壊れてしまう。
今は、清々しい気分であり、これはお金を損したとかいう次元の問題ではない。
みなさんも、くれぐれも注意して下さいね。
教訓:VIX指数は短期決戦!